保育園・幼稚園
2019.05.31

【先天性四肢欠損・障害】保護者会や懇談会で、周囲にどんな説明をする?

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これまでNPO法人Hand&Footでは、

園生活のこと
小学校入学前や入学後のこと
運動の工夫
習い事のこと

・・・などについて、会員の皆さまにご協力頂きながら、うまれつきの手足のちがいを持つお子さんやそのご家族へ向けて情報発信を続けてきました。

その中で、よくある疑問として

・保育園、幼稚園に入園するんだけど、保護者会で子どもの手足のことを言うべきか?
・どんなふうに保護者懇談会で説明すれば良いのか?
・いつどんなタイミングでお話するべきか?

というような、『保護者会・懇談会での、他のお子さんの保護者への説明・お話』についての質問が定期的に寄せられています。

そこで今回の記事では、

うまれつきの手足の形のちがいについて、
周囲にいつ、どうやって、どんな話をするか

をテーマに、Hand&Foot会員の皆様のご経験をお聞きしたり、私自身の経験を元にまとめさせて頂きました📖

これから入園や入学を迎えるご家庭のご参考になれば幸いです。

いつ、どうやって、どんなお話を他のお子さんの保護者へする?まとめてみました

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Hand&Footは、手足にうまれつきちがいを持った当事者とそのご家族が参加する家族会で、現在会員数は約840家族。

手足の指が欠損していたり、大きかったり、短かったり、
逆に多かったり・・・

多くの人とは少しちがう手足の形でうまれてきた当事者やそのご家族同士、日々交流を深めています。

その中で、我が家の娘はうまれつき右手の指が2本欠損しており「裂手症」(れっしゅしょう)という診断名がついています。

0歳で保育園に入園し、つい先日の3月に卒園…4月に小学校に入学したばかりの現在ですが、やはり私も同じように、これまで

いつ、どうやって、どんなお話を他のお子さんの保護者へするべきか?
どうやって話せば伝わりやすいんだろう…
クラスの子が気付く前に?気付いたあとでいいのかなあ?

などと、悩んだ時期がありました。

確実な正解がないお話にはなると思うのですが、ひとつの体験談として参考にして頂ければと思います。

他のお子さんの保護者へお話をする目的

まずしっかり抑えておくべきところは、

なんのためにお話をするのか?

という部分だと思います。

これは各ご家庭によって目的は異なると思いますが、

・こういう子がクラスにいるよということを知ってもらいたいから

・行事などで見て気付いたときに気になる方がいるかもしれないから

・他の子が気づく前にご両親へ知っておいてもらいたいから
(気付いたときフォローしてもらえるように)

・本人が他のお子さんから直接ちがいについて聞かれることが増えてきたから、知らせておきたい

というようなことが考えられるかな、と思います。

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お話する時期としては、保育園であれば入園した小さい時から年長さんまで6年間も幅があるわけですし、

幼稚園の場合では、入園時、何かあったらにするか、それとも年中さんくらい…?

とタイミングが多くあるので、どこの保護者会でお話するか迷うところだと思いますが・・・

お話する『目的』さえはっきりすれば、きっと『いつお話するか』も見えてくるはずです。

ですから、まずはどんな目的で他のお子さんの保護者へお話するのか?をご家庭でしっかりと考えてみると良いと思います😊

そもそも、子どもたちはいつ手足のちがいに気付く?

我が家の娘は0歳で入園していたので、入園時のころ、他のお子さんはもちろん娘の手のことにはまったく気付いていません。

その中でわざわざ他の保護者へお話する必要があるのかな?

ということも悩みました。

いつお話するか、を考えるために、

・子どもたちはいつ手足のちがいに気付くのか
・直接聞かれるようになるのはいつなのか

ということにも触れておきたいと思います✒

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0~2歳児の時期は、子ども自身もクラスのお友だちも、手足のちがいに気付き疑問を口にすることはほとんどありません。

早い子は3歳児(年少さん)の終わりくらいで。

そして5歳児(年長さん)になると、ほとんどの子どもが手足のちがいについて認識していきます。

いつ、どのタイミングでお話する?

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気付き始めると、直接「なんで?」「どうしたの?」という疑問を口にする子も増えてきますし、

中には何度も何度も、毎日のように聞いてくる子もいます。

疑問に思うのは当然のことですし、子どもたちにとっては悪気のない「なんで?」なのですが・・・

「なんで?」の答えを本人が伝えるのもまた難しく、本人が聞かれることに疲れてしまったり、落ち込んだ様子を見せることもあります。

そんな時はやはり保護者の方がフォローしてくれたらとてもありがたいですし、助かります。

これまで多くの会員さんたちからの声を聞いてきましたが、できればこの「なんで?」が生まれたとき、できれば「なんで?」生まれる前には保護者の方へ説明しておけるとベストなのかな、と思っています。

なんて話そう・・・?

保育園の写真

保護者会や懇談会では、ひとりひとり自己紹介をする時間を設けてくれる場合が多いと思います。

その際に手足のこともお話した、という方がHand&Footでは多かったです。

また、事前に担任の先生に「お話したいので時間をつくってほしい」とお願いしたという方も多いです。

長くお話をする方もいらっしゃいますし、さらっと「こういう手足をしてます。原因はわかりませんが、疑問があったら気軽に聞いてください」と短くお話したという方もいたり、そのご家庭それぞれの説明の仕方があると思います。

内容としては、

・まずは手足の説明(こんな形をしてます、必要があれば手術のことなど)
・「なんで?」の理由と、聞かれた時にご家庭でどのように答えているか
(どのように答えてほしいか)
→答えは統一しておいたほうが子どもたちも混乱しません

を伝えておくのが良いと思います📖✨

我が家の場合は、下記のようにお伝えしました。参考になればと思いまして、記述します✒

・〇〇組のみんなももう大きくなってきて、手のことを聞かれることが増えたので、本人の希望でお母さんたちにお話する時間をもらいました。

・だいたいの子が、「なんで?」とか「どうしたの?」という感じで聞いてくれます。

・手の説明、手術の説明

・気になるのはアタリマエのことなので、
そんなこと言わないでくださいとか、 一切触れないでくださいとかそういうことではないです。

・本人とか子どもたちに聞かれたら
「生まれたときからなんだ」ってことと「原因はまだわからないんだ」
という説明をしています。

・もしお子さんに聞かれたら、生まれつきなんだって っていうことと
なんでかお医者さんもわからないみたいだよってことを
言って頂けたら助かります。

・「そんなこと言っちゃだめ!!」っていうふうには
したくないので、色んな人が生まれつきいるっていうことを
お子さんに伝えるきっかけにしてもらえたら嬉しいな、と思います。

・たまにやっぱりへんなのとか、そういったネガティブなことを
言われることもあって、そういうのは悲しいので
それは違うよと伝えてほしいです。

・何度も何度も同じことを聞かれるのは
本人もすごく疲れちゃうみたいなので、
その辺をお子さんに伝えていただけたらとてもうれしいです。

会員の方の体験談

他の先輩ご家族にも、ご経験を伺いました。

懇談会での説明(小学一年生/女児6歳・裂足症)

入学後直ぐに疾患に関するトラブルがあり、担任、保健の先生と面談をしたため、懇談会では特に娘の足についての話はしませんでした。

親と子供、先生との連携を大切にしている校風もあり、私からの拙い説明よりも、担任の先生から直接生徒に伝えていただく方が良いとの判断からです。

説明は給食の時間、アレルギーで食べられない品目もある生徒さんのお話と一緒にしていただきました。

説明の間、クラスの生徒さんは静かに聞いていたようですが、

『理解出来ずに意地悪な事を言う子もいると思いますので、その都度指導していきます。』と担任の先生は仰ってくださいました。

ここだけは伝えて欲しい点として、以下の5項目をお伝えしました。

• 右足が皆と違う形をしているのは生まれつき。
•皆と同じ上靴を履くと脱げやすいので違う形のものを履いている。
•ルールを守っていない訳ではないので、娘を責めたり意地悪な事は言わないで欲しい。
•足に痛みがあり、改善するための骨を削る手術を9月に受ける。
•手術日が近づくと情緒不安定になることも。(怒りやすくなったり、テンションが高くなったり下がったり)

娘の通う小学校の特徴として、外国人の生徒が多い点があります。(34人中9人が外国人かハーフ)

日本語もままならないお子さんもいる中、色々な違いを認め合い助け合うクラスでありたいと先生に仰っていただきました。

娘の気持ちに寄り添いながら、またお友達の行動の裏にあるものを見ながら、先生と良い信頼関係を築き連携を取っていきたいと考えています。

お父様より補足

娘の足に関する事は担任だけではなく、体育を担当する教師や 保険医など、娘に関わる先生方全てに共有していただきたいので、以下の資料を提出しました。

⑴ 主治医意見書(足底装具装着の医学的必要性が記されたもの)
⑵ レントゲンの複写
⑶ 疾患詳細説明書(DL版チラシの下書き。苦手な事等を図で表現)
⑷ 伝達事項

伝達事項は9月に手術で10日間程お休みをいただく事、術後1ヶ月半程は車椅子通学になる事などの他、子供達に伝えて欲しい事として以下をお伝えしました。

・人間は皆同じ姿かたちで生まれてくるわけではないんだよ。
・背が高かったり低かったり、顔が丸かったり長かったり、肌も人それぞれ違う色で生まれてくるんだよ。
・手足の形がみんなと違うのも、それらと同じこと。
・みんなと違うことが、当たり前で普通の事なんだよ。

園での説明もほぼ同じような感じでした。

園、学校両方で強く主張したのが、
『患部を隠し卑屈になるような育て方はしていない。先生方も同じ姿勢で接して欲しい。』
という点です。

参考にして頂ければ幸いです。

まとめ

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・なんのためにお話をするのか?を考える
・子どもたちが手足のちがいに気付くのは4歳前後くらい。
・「なんで?」が生まれたとき、できれば「なんで?」が生まれる前までには一度お話しておくと良い
・内容はご家庭それぞれ。長くても短くても、きっと思いは伝わります

なにより、周りの方にお話して理解してもらうことで、きっと気持ちがとても楽になります。

少し勇気も必要かもしれませんが、先輩ご家族のお話を聞いていると、「あたたかくお話を聞いてくれた」と教えてくれるかたばかりです。

我が家の娘のクラスの保護者の方たちも、頷きながら優しく聞いてくれて、とても安心したことを覚えています。

経験上、頭が真っ白になってしまうこともあるかもしれないので、メモを持参すると気持ち的にも安心します😊

ひとりで悩んだり迷ってしまったときは、是非Hand&Footでご相談ください😊

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いつかふつうに出会えるように。

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