当事者からのメッセージ
2019.02.16

「自分は自分、今を楽しく!」左手指欠損でうまれてきた息子が教えてくれた、大切なこと

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こんにちは。Hand&Footの平澤です。

私には3人の子どもがいて、末っ子の左手が3本の指、うち2本が癒着して産まれてきました。

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末っ子の手は、「裂手症」(れっしゅしょう)という診断名で、2万人に1人と言われています。

出産~これまでの日々。末っ子が生まれてから、私自身も変わりました。

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末っ子の出産は上の子どもたちがいたために、初めて主人の立会いなしで、一人で臨みました。

すぐ産まれてくるかな~?なんて思っていたのですが、陣痛が進むにつれ微弱陣痛となり…赤ちゃんが元気に産まれてくるのか、とても不安になったのをよく覚えてます。

「このままでは赤ちゃんが出られないから」と、助産師さんの判断で促進剤を打ち、その後は陣痛がしっかり来るようになり無事に出産。

カンガルーケアもさせていただき、ホッとして何も疑うことなく病室で休んでいました。

そしてその日、主人が面会に来てから、助産師さんにお話があるから二人で来てくれない?と呼ばれました。

はじめは理解できなかった

とても明るく話してくださっていたので楽しい話なのかと思い、着いて行きました。

年配の助産師さんから、

ちょっと見てほしいのだけど・・・

と、そこで初めて左手のことを知らされました。

「今の医療は発達しているから大丈夫。きっと癒着しているところは切り離せると思うよ」とも同時にお聞きしました。

初めは何の感情もなく理解できなかったというのが正直な気持ちでした。

その後、自分の病室に戻り赤ちゃんを抱っこし、あらためて左手を確認しました。

現実なんだ。。。と思い知らされました。

当時言葉が遅い長男にも悩んでおり、何で私だけ?こんなにたくさんの壁を乗り越えることはできない…と辛くなりました。

「元気にうまれてきてくれた、それが一番だよ」

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その日からスマホを片手に検索をし続けました。

家族と親しい人の一部に左手のことを報告をするとみんなとても驚いていましたが、元気に産まれてきてくれた、それが一番だよって励ましてくれました。

そのとき友人の一人がHand&Footを見つけて教えてくれ、藁にもすがる思いで入会し、情報を集めました。

地元の病院でできる手術のこと、
もし手術ができなかったらどうするか?

今後について入院中に自分の中で決めることができたのですが、今思うとこれはすごく大きかったです。

おかげで退院後も手を隠したいと思うことはあまりなく、当時通っていた子ども館の先生やママ友に打ち明けることもできました。

幸いにも周りの方たちが温かく、傷つくような言葉をかけるような人はいませんでした。

それどころか、同じようなおてての子知ってるよ!と紹介までしてくださって、まさか同じ市内に年齢も近い同じ境遇の子がいるなんて思ってもいなくて嬉しかったのを覚えています。

手術が成功し、2本の指から3本の指へ

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地元の大学病院へ行き、「癒着している指の手術をしてほしい」とお願いしたのですが、そこの病院では「手術はせずに経過観察するべき」という方針でした。

これはある程度思った通りの展開だったので、その後迷わず、名医のいる都内の病院へ行きました。

すると、そちらでは「癒着している指は手術をして切り離すことができる、そうすることで将来使いやすい手になるだろう」と言われ…

やっぱり、よかった!と安心しました。

あの時ただ泣いてばかりいたら、あの時近くの病院であきらめていたら。。。

このとき私自身が息子から後悔するよりまず動くことを教えてもらった気がしました。

息子はその後無事手術が成功し、二本の指から三本の指になりました。今では傷もよくなり、しっかり左手が使えています。

こんなものは掴めないかと思っていた小さなものも掴めるようになり、手術をして本当によかったと思いますし、主治医の先生には感謝でいっぱいです。

病院によって、他ではできないと言われたことができたり、筋肉が弱いようなら筋肉の移植手術を検討しても良いかも…など”こんな処置をすることができるかもしれない”という思わぬ提案があったりと・・・

診てくださる先生によって診察結果は全く違うのだな、ということを実感しました。

症例数が多くはない症状がお子さんにある場合、私のように少しでも症例数の多い病院へ診察へ行ってみることをおすすめします。

ひとりひとりみんな違う。得意なこと、苦手なことみんなそれぞれ持っている

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次男が産まれてから、私自身も大きく変わりました。

それまで、ママ友というのが少し苦手で、なるべく目立たないように、周りとはあまり深く関わらないようにしていました。

今思うと自分に自信がなかったのだと思います。

言葉が遅かった長男がいたので、自分の子育てに自信がなく余計にそう感じたのかもしれません。
(かといって今は自分に自信があるのかと言われるとそれはありませんが…)

ただ、考え方が大きく変わりました。

ひとりひとりみんな違う。得意なこと、苦手なことみんなそれぞれ持っている。
だから、自分は自分なのだから今を楽しく生きよう

と感じるようになりました。

考え方が変わったおかげか、たくさんの方とたくさんの思い出を日々作ることができています。

この子がいなかったら、今の私はなかったと思います。

ママに大切なことに気づかせてくれてありがとう。

そう息子に伝え続けていきたいと思っています。

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無理はせず、時間が解決してくれる

わたしと同じように、お子さんに何らかの多くの人とのちがいがあり、不安や心配のなかにいるご両親がこれを読んでくださっていたとしたら、伝えたいことがあります。

お子さんのことで悩んでいるというのはすごく愛情が深い証拠だと思います。

たくさん、たくさん悩んでくれるお母さん、お父さんがいるなんて幸せなことです。

今は辛いときかもしれませんが、少しづつ前を向くことができるはず。

無理はせず、時間が解決してくれることもあると思いますので、その子のペースで進んでいくお子さんの成長を見守ってあげて下さい。

私もまだまだ心配や不安でいっぱいですが、泣いたり、笑ったりしながら子どもたちとかけがえのない日々を過ごしていきたいと思っています。

一緒に楽しみながら、ほどほどに頑張りましょうね!

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「ふつうって何だろう?」
「多くの人と違うことはかわいそうなこと?」

この絵本を読んで得られる気づきの一つ一つが少しでも多く集まれば、世の中の「驚き」も変化していくと信じています。

この絵本と共に、「初めて会ったとき、どうかびっくりしないでね」そんな気持ちがたくさんの人に届くことを、子どもたちと共に願っています。

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いつかふつうに出会えるように。

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